流行りのNoCode/LowCodeにのせられてみた

はじめに

 Google Glide, Microsoft PowerApps, 最近(2020/6)にベータ版が公開 されたばかりのAmazon honeycode、たまたま、この3つを使う機会があった。
まったく深くもない、勘違いしている部分も多々ある勝手な感想。

よく似た3つのサービス、どれを使うか迷う

この3つのサービスにはよく似たところが多い。
特にExcelのような表計算をベースにして、テーブルを指定するだけで、 ほぼ自動的にアプリの雛形を作ってくれるところ。
それぞれのサービスの開発した経緯などの説明を読むと出自や発想となった 考え方に触れられているが、競合するサービスの影響を受けた、という話が 一つも出ない、そういうところまでよく似ている(笑)

GlideとAmazon heneycodeはよく似ている
PowerAppsはNoCodeというより、LowCodeで、プログラミング的な知識も必要、 ただその分高度なアプリが作れるが、まったく知識のない人間には少し敷居が高い。
Microsoftがもともと開発環境を提供していることもあって、それをベースにしている せいもあるかもしれない。

結局のところ

どれを使うか、というのは、結局、作成したアプリを誰と共有するかによって 変わってくるのかなと勝手に思っている。

Google Glide

不特定多数、もしくは、ユーザ登録無しに利用する、おもにスマフォからの 利用者がほとんどという場合にお薦め。
Glideの良い点は、PWAに対応していることと、無料アカウントでも、アプリの ログインパスワードをアプリごとに自由に設定できること、これは重要な機能。
パスワードを設定しないで誰でも見られるようにもできる。
(有料アカウントにすれば、さらにメールアドレスによる登録も利用できる。)
URLの先頭部分を、すでに使われている,ものでなければ、任意のものを指定できること、 さらにそのURLをQRコードで表示してくれるなど、かゆいところに手が届く、 便利なツールになっている。
利用にはGoogleアカウントがあればよく、あとは、Google spreadsheetで 元になるデータを作成しておいて、Glideからそれを読むだけでほぼ自動的に作成できる。
アプリの見た目やPWAとして登録した時に表示されるアイコンも、それなりに用意 されているので、アプリを作るのが楽しくなる。
他にもGoogleドライブに保存された画像ファイルをデータ項目の一つとして、 表示させることができる点も、スマフォで使うアプリとしては、画像のあるなしで、 使い勝手や見栄えが雲泥の差になる。これもGlideの大きな利点、特徴の一つ。
展示会などの催しの際に会場マップなどを配信するためのアプリを作るのもよい。
個人的には、グループ間での簡単なパスワード共有や、体温ログなどに使っているが 作成が簡単で実用性の高いアプリを開発できるのがよい。
無料アカウントの制限としては、一つのアプリで利用できるデータ数=行数が 500行に制限されていること。
ちょっと大きなデータを扱いたいと思った場合は、有料アカウントへの アップグレードが必要。

Amazon honeycode

2020/6/24公開のできたてほやほやのベータ版、そのための制限、 の可能性もあるので注意。
honeycodeにユーザ登録して、アプリが開発できるようになるが、 開発したアプリを使用できるユーザは、チームに登録した20名まで、 チームに登録するには、honeycodeにアカウントを作成する必要がある。
いまのところ、利用はかなり限定的。
スマフォから利用する場合には、専用アプリが必要。
ソースとして、専用のSpreadSheetデータを作成して、そこから、アプリを 自動的に生成できる。ベータ版なので、現在は、Glideに比べると、かなり、 シンプルなものになっているが、基本的な作り方はGlideとよく似ている。
今後のアップグレードに期待。
Webブラウザ版とスマフォ版の両方のフォームを作成できる。
現在、アプリは英語版しかなく、日本語に設定されているスマフォへの インストールができない。このため、スマフォ版の画面は私もまだ見たことがない。
追記
リリースされてから1年近く経過するが、いまだにamazon fireアプリ版はない
自社のサービス用なんだから、それぐらいサポートしてくれよ

PowerApps

Microsoft365(旧Office365)を契約しているなら、無料で使える。
利用者は結局、Microsoft365を契約している企業単位になる。
となると、日本では、セキュリティ上の問題から、個人のスマフォ等を 使って、業務用のデータファイルにアクセスを禁止している企業がほとんどだと思う。
そのため、あくまでも社内LANに接続されたPCや、社内LANで使う前提で 登録されたスマフォやタブレットからしか利用できない、ということになる。

個人アカウント

PowerAppsの場合、個人アカウントというのも登録できるが、作成したアプリを 公開することができない、データソースも最初はOneDriveに保存されたExcelファイル になるだろうし、個人アカウントといっても、社内利用目的のアプリの開発のための 学習用であったり、プロトタイプ作成程度にしか利用できないのかなと思う。

最初に使う時の注意

 PowerAppsでソースをExcelにする場合、Excelで対象となる範囲をテーブルに 指定する必要がある。
 また、Excelソースからフォームを自動作成した場合に、なぜか逆順、列の最後の 方から取り込まれてしまうので、これを毎度並べ替えるのが面倒だ。 しかもそのやり方が、わかりづらく、理解できるまでに、かなり時間がかかってしまった。
さらにアプリの画面のレイアウトは、スマフォ用の縦長か横長しか選択できない。
はじめは、この設定がどこにあるのかも探し回った。Glideに比べると、いろいろな 点で、わかりづらい。
さきに述べたように、日本企業での利用となると、利用者は社内LANに接続 されたPCとなるのに、画面レイアウトにスマフォかタブレットしか想定されて ないところが、ちょっともったいない。
Excelをデータソースにした場合、最大2000行という制限がある。
データソースをSharePointにすると、その制限は回避できるらしい。
ExcelからSharePolintへの移行も可能らしいが、調査中。
業務用の本格的なアプリにするは、SharePolintやDatabaseなどの利用が必須となり、 それなりのスキルのある人間がアプリを開発することを想定しているものと思う。

余談

一つ、困った点、Excelでテーブルを指定したファイルをOneDrive for Businessに 保存して、開き直すと、なぜか「編集できません」のメッセージが表示される。
実際には編集も保存もできるのだが、最初はこれでかなりとまどった。

番外編

QRコード作成サービス、本家のデンソーウェーブが作るとこうなる、便利なのに無料、 かつ、商用利用もOK!という太っ腹すぎなサービス。
作成したWiFi 接続QRコードを専用アプリで読み取ると、QRコード作成時に登録した SSIDとPasswordでWiFi接続できてしまう。SSIDとPasswordは利用者に知られずにすむ。
時間制限もできる。専用アプリで読み取るところがポイント!
ただのQRコード読み取りアプリで読み取っても、GooglePlayのアプリのダウンロードの ページにとばされてしまうだけ。間に専用アプリを挟むことで、そのアプリから、 実際にWiFi接続するまでの間に1クッションおけるので、そこにQRコードと一緒に 作成したウェルカムページを表示させることもできる。考えたなー。
(クルクルマネージャ、なんか、書くと、字面がなんとも。。。。)

QRQR マネージャ https://m.qrqrq.com/

勝手な感想

はたして定着するのはどれか、そもそもNoCode/LowCodeは定着するのか想像もつきません。
個人レベルで作成したクラウドサービスとスマフォとを連携させるのがとても簡単で、便利になったと思います。

以上、勝手な感想でした。